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中橋愛生(NAPP)の不定期日記
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今日は国立音大のシンフォニックウインドアンサンブル第33回定期演奏会を聴きに玉川上水まで足を運んでみました。
やっぱ国立音大は大学っぽくていいな〜、と日本一狭い大学に勤める身として率直な感想。ではなくて・・・・・

 まずは「カプリス」「カタストロフィ」「古祀」と保科作品を三つ。いずれも「1970〜80年の邦人吹奏楽曲」の有名曲なのだし、私もよく聴いた曲なのだけど、生で聴ける機会になかなか恵まれない。考えてみればこれは貴重な経験。「古祀」にハープが入っていたところをみると、これは作品集の録音の折に作られた改訂版での演奏だったのかな?とすると、気づかなかったけど「カタストロフィ」も改訂版?
 続いては委嘱作の天野正道「ティンパニ協奏曲」。先月末に天野先生にお会いしたとき(完成の翌日だったと聞いている)に「冗談音楽だから」と言われていて、興味津々で聴きに行った次第。ソリストがティンパニを11台使用する、というこの曲は、天野作品での系列的には「コンチェルト・グロッソ」に近いか。こういうイレギュラーな編成を要求されたら私はどんなアプローチをするのかな、とか考えてしまいました。
 休憩後に芥川也寸志、團伊玖磨、黛敏郎の「3人の会」の吹奏楽作品を集めた注目の企画。まずは芥川の「栄光をめざして」と「風に向かって走ろう」。分かっていても、やはりこの二曲を続けて演奏されると笑ってしまう(これと同じようなことは團の行進曲でも起こるのだけど)。やはり痛感するのは解説にも書いてあった通り芥川にもっと大規模な作品の委嘱がなされなかったという事実の惜しさ。他の二人の作品と並ぶとそれがより一層感じられる。
 團作品は「オリンピック序曲」から。かねてから聴いてみたいと思っていた一曲。高らかなファンファーレ、4台のチューブラーベルの使用、フーガ的な展開も部分的に使用、となかなか凝った作品なのだけど、どうも部分部分の繰り返しの多さと、継ぎはぎ的な構造が気になる。これは演奏のせいかもしれないのだけど、どうなのだろう? それに対し、やはり「行列幻想」という曲は、團の吹奏楽曲のなかでは群を抜いてよく出来てると思います。これも生で聴いたのは初めて。
 国立音大の黛は、CDに録音されていた「打楽器とウインドオーケストラのための協奏曲」がなかなかよかったので期待して聴いてました。アメリカン・ウインドシンフォニーの「ポイント・カウンターポイントII」(船の名前)について触れた解説は珍しく、それを踏まえ、佼成の黛作品集では省かれていた花火の音をテープで流した「花火」。ちょっとPAがお粗末だったかな?試みる意欲は買います。  続くトーンプレロマス55は、生で聴くのは2回目。演奏はこの曲が一番がんばっていたような。ところどころミュージカルソゥが埋もれてしまうのはやむを得ないのか。

 とにかく、国立音大はシンフォニックウインドアンサンブルにしてもブラスオルヒュスターにしても、そのプログラミングが毎回とてもいいですね。洋の東西、吹奏楽作家・非吹奏楽作家の違いを問わず(どちらかに偏向せず)に重要な作品を「体系的に」取り上げ、なおかつ新作の委嘱も積極的に行う、という活動は本当に素晴らしい。「音楽大学のなすべき吹奏楽」を実践しているのは、今のところこの大学だけだと思います。この路線はプロのバンドのなすべきことともちょっと違う、まさに研究機関・教育機関でしかできないこと。他の大学も見習わなければいけませんね。
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いや、長らくblogの更新もさぼってしまいました。見ていて下さっていた方、申し訳ありません。
この一ヶ月で何度徹夜、もしくは寝不足になったでしょうか。ともかく、「科戸の鵲巣」と「玻璃ぷりずむ」の締め切りと、大学の仕事が重なって、いや、もう、修羅場でした。しかし、周りの人たちの助けもあって、なんとか一段落というところです。先日、「玻璃ぷりずむ」は楽譜の発送を終え(夜中に急遽電話をかけて一緒に徹夜してもらった院生のS君、ホント大感謝)、大学の仕事はそれだけだと大した負担でもないので、あとは事務ごとの仕事や解説執筆が急務です。
とりあえず、自分へのごほうびに、とiPodを購入してみました。とりあえず吹奏楽のライブラリでも作ってみるかな。仕組みはよく分からないけど、CDをiTunesに読ませてネットにつなげばあら不思議、基本情報(たまに必要なのがないけど)が自動入力。これは便利。思わず吹奏楽より先に現代モノのCDの整理を始めちゃったりして。

・・・・・何か忘れてるだろ。男声合唱曲の作曲。あと年賀状の曲も書かなきゃね。あと2、3日のんびりしたら、再びお仕事モードになろう。
 今日はお昼に湯浅譲二先生のところに届け物をしたり、大学のお仕事が忙しかったりで大忙し。移動中や仕事中にも携帯が鳴るは、仕事関連のメールがくるはで、さぁ大変。22時過ぎに帰宅する途中にも電話が・・・・・
 這々の態で帰宅すると、佼成ウインドから83回定期のチラシと、佼成出版社から12月11日発売の邦人作品集のサンプルCDが届いてました。前者はチラシにセールスコピー(と、演奏会ではプログラム解説も)を、後者は解説を書いたもの。

 それにしてもこの邦人作品集。シリーズの最初の二枚である「深層の祭」と「ぐるりよざ」は私が中学のころに買って狂ったように聴いていたのが懐かしい。これとヤマハ浜松のCD(田中賢作品がたくさん入ったもの)は、いわば私に現代音楽の窓を開いた最初の一歩。まさかそのシリーズの制作に自分が関わることになろうとは。実に感慨深いです。先日は某所にてヤマハ浜松の元指揮者でクラリネット奏者の森田利明先生とお会いする機会もあったのだけど、そういった「間接的な師」には、ここ1、2年でほぼ全員と関わりができてしまいました。はてこの先、私はどう進んでいくのだろう、思えば遠くにきたものだ、と思ってしまうわけです。
 毎年恒例の全音出版社による「四人組コンサート」を聴きに津田ホールへ。今年は「声+1の夕べ」ということで、歌曲モノ。鈴木淳史「クラシック悪魔の辞典」をテキストにした南聡作品はコンセプトに惹かれました。けど、疲れてたんです。ちょっとだけ記憶が飛んでる・・・・・
 今日の演奏会では、何と言っても西村朗先生の作品を歌った藍川由美さんの歌唱が圧巻でした。20分近い大作(しかも初演)を暗譜で完璧に歌いきる、迫真の演奏。私、歌、それも独唱って、どちらかと言うと好まない人なのですけれど、今日の藍川さんの歌は背筋がゾクゾクしました。凄い。
 池辺晋一郎先生の新作はカウンターテナーの猫殿と、サックスの須川展也さんの演奏による「軌道エレベーター」。こんな組み合わせ、他ではなかなか聴けないでしょう。水戸で再演の予定もあるそうですが。面白かったです。


 宣伝。「大江戸舞祭」のサイトで、私の編曲した「東京ラプソディ」吹奏楽版CDの購入案内が掲載されたようです。よかったら聴いてみてください m(_ _)m
 今日は大学でカミラ・ホイテンガ氏によるフルートの現代曲に関する公開レッスン。私はOHCの担当だったので、演奏を間近で聴く事ができました。「セクエンツァ」を演奏した学生さんなんかは、学生としてはかなりよい演奏だったと思うのだけど、やはり演奏の第一線で活躍しているプロの奏者ってのはすごいですね。表現の幅が圧倒的に広い。当たり前のことなんですが、ちょっと再確認した次第。特殊奏法の記譜のレクチャーとしては知っていることばかりではあったのだけど、重音奏法の教え方なんかは、今後吹奏楽の現場でも使えそう(やめてくれ、とバンドの皆さんには言われそうだけど)。

 帰宅したら、某出版社さんからCDが届いてました。以前に書いた解説(いわゆるクラシックの名曲ばかり30曲分)を使って頂いた、「企画モノ」のCD(笑)。たぶんこのサイトを覗いてくれている人はあまり手に取らないものかもしれませんが、偶然手にしたら私の名前があってびっくりするかも(笑)
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プロフィール
HN:
NAPP
年齢:
47
HP:
性別:
男性
誕生日:
1978/06/19
職業:
作曲家、のはず
自己紹介:
作曲家。
東京音楽大学・非常勤講師(作曲)。
NHK-FM「吹奏楽のひびき」担当。
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