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中橋愛生(NAPP)の不定期日記
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 昨日、第12回「響宴」で拙作「閾下の桜樹」を神奈川大学に演奏して頂きました。非常によい演奏に感謝です。

 委嘱元の条件などもあり、非常に分かりやすい(ある意味でベタベタな)曲だったので、普段の作風とはちょっと異なっていたのですが、どうだったでしょうか。

 他のかたの作品では、菊池幸夫「銀河鉄道の夜」が群を抜いて素晴らしかったと思いました。
 まず音のセンスが凡百の作曲家とは一線を画していましたし、物語中の単語一つ一つが音の中に織り込まれている技術の高さは圧巻でした。
 演奏も素晴らしい合唱と、それを決して壊すことの無い絶妙のバランスのバンドとで、見事でした。
 これほどの作品は、なかなか聴けないものだと思います。


 事前にチケットが完売、というのは喜ばしいことだったのですが、これは片倉高校・合唱の皆さんのご家族の購入が大きかったのもまた事実。
 「銀河鉄道」以降、徐々に空席が目立ってきたのは確かです。
 作品の魅力で引き続き聴いて頂けなかった、ひいては吹奏楽以外のお客様たちに吹奏楽の魅力が伝わらなかった、という結果は、私を含めた他の作品の質が問われてしまったかと思います。


 最後に。「響宴」発足時から精力的に活動され、その他においても吹奏楽界の発展にご尽力され、志半ばにして急逝された富永啓之氏に、心から感謝致します。
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 色々と立て込んできていて、やらないといけないことが山積していることは分かっているのだけど、これだけは絶対行かないと、ということで、佼成ウインドの第100回定期に伺ってきました。


2月20日 東京芸術劇場

指揮:秋山和慶

 セレブレーション/フィリップ・スパーク

 舞踏組曲/ジョセフ・ホロヴィッツ

 法華経からの三つの啓示/アルフレッド・リード

 レミニサンス/長生淳

 雲の変容(委嘱作品世界初演)/北爪道夫

 舞楽/ドナルド・グランサム


 プログラムは全て新旧の佼成ウインド委嘱作。100回目にこういうプログラムを組む意欲が素晴らしい。
 指揮は、前回の共演から20年以上ぶりという、マエストロ秋山。

 演奏は棒のおかげもあり、実に素晴らしい出来。特にリード作品は、こんなにいい曲だったかと、後で再確認してしまったほどの演奏。

 注目の北爪道夫の新作は、吹奏楽版の映照という面持ち。和音と楽器群の音色による、色彩の層が折り重なっていく作品。音色のコントロールが必須なので、これを聴かせるのはアマチュアでは相当難しそう。
 北爪先生は、この後もう1曲書く、という噂も聴いたので、そちらも期待。


 個人的には、せっかくの100回記念なので兼田敏「東京佼成ウインドオーケストラ・ファンファーレ」も聴いてみたかった。
 また、関係筋によると、もし間に合えば今回、三善晃先生にお願いしてある委嘱作品が初演される可能性もあったとのこと。これはまずは三善先生のお身体の都合を優先なので、近い将来に実現することを信じて待つことにしましょう。


 ともかく、100回という定期公演を向かえたのは、誠にめでたいことだと思います。
 プロオケだと、定期は600回を超えるところも多く(N響は1600回)なっていますが、地方公演も多い佼成ウインドですし、他のプロ吹奏楽団ではこうもいかないので、素晴らしい実績だと思います。
 今後、首席指揮者にクラリネット奏者としても高名なポール・メイエを迎えるそうで、今後のレパートリーの拡充に期待しています。


 余談ながら、この演奏会にNHK「吹奏楽のひびき」の中継を入れてもらいたかったのですが、諸事情により断念しました。残念。
 第一回となる東京佼成ウインドオーケストラ作曲賞本選会を聴いてきました。

 取りあえず、本選出場者と結果を演奏順に。

ホセ=スニョール・オリオラ(スペイン)
「室内交響曲 第1番」(フェネル特別賞)

木村 政巳(日本)
「見えない都市」(第三位、海外審査員特別賞)

バーナビー・ホーリントン(イギリス)
「コン・ブリオ」(第二位)

ジョン・ウィークス(イギリス)
「プロセッション」(第三位)


 フェネル特別賞は佼成ウインドの団員の推薦により贈られる賞。

 今回の本選出場作は、どれも傾向が異なる作品。どれも一定水準は超えている作品で、改めて日本の「吹奏楽作家」の作品の低質さを痛感する。

 オープニングにクリフトン・ウィリアムス「ファンファーレとアレグロ」。第一回ABAオストワルド作曲賞受賞作をここに持ってくるのは、一種の縁起担ぎか。

 スニョール・オリオラ「室内交響曲」は、今回のノミネート作品では最も「吹奏楽的」な作品。調性的な響きが時折するのだけれど、その使い方が「あざと過ぎて」浮いていたかも。全体的に音楽の息が短く、何を聴いているのか分からない。また、音が厚過ぎるのか多すぎるのか、混濁した響きが多く、これも音楽的な焦点がぼやける結果に。ワイングラスを指でこすって音を出す、などの効果が「思いつき」に終始してしまうのはヨーロッパの作曲家の特徴なのか。また、「吹奏楽である必然性」がどれ程のものだったのかは疑問。楽曲の完成度としては最も低かったので、順位が付かなかったのは妥当なところ。ただ、演奏していて最もカタルシスを感じられるものだったのかもしれない。それがフェネル賞につながったか。

 木村「見えない都市」は、日本交響楽振興財団とか、そういった作曲コンクールでよく聴くような内容。とてもよく書けていて流石だと思うけれども、「どこかで聴いたことがあるような」感は拭えない。随所でのクラリネットのdiv.による響きなど、オーケストラでは出せない吹奏楽独自の表現を引き出そうとしていた箇所があったのはとても好感が持てたけれども、曲全体の造り方は、やはりオーケストラ的な書法から脱しきれていなかったように思う。

 休憩を挟んで、ホーリントン「コン・ブリオ」は、吹奏楽団をビッグバンド的に捉えてジャズ・イディオムを用いた作品。解説にあったストラヴィンスキーはあまり感じなかったのだけど、タネジ(解説中ではタナージュと誤訳)やバードウィスルの影はよくちらつく。ちょっと現代の音楽シーンを知ってる人ならば、典型的なイギリスの現代音楽のスタイルだと気付くはず。だから、やはり目新しさは感じられなかった。もしかしたらマーラー作曲賞や2agosto作曲賞といったものと掛けていたのかもしれない。
 個人的に、吹奏楽編成をビッグバンド的に扱った「現代音楽」路線というものには可能性を感じられない。フリージャズの奏者などのほうが圧倒的にクオリティの高いものを創れることが分かっているからだ。この路線の作曲家が次世代を担えるのか、と言うと非常に疑問である。

 ウィークス「プロセッション」は編成が特徴的。Saxなどを省いた管弦楽の管セクションのみに近いけれども、パートによって奏者数は様々。クラリネットは4人だしトランペットは5人、パートによっては2人だけのものもある。1パート1人のいわゆる「ウインドアンサンブル」様式であり、当然ながら曲調も室内楽的な部分が多く、響きはそれだけ洗練される。この種の作品を聴くといつも思うのだけど、このような編成規定は音楽を整然と管理しやすくなると同時に、室内楽や管弦楽といった既存の演奏媒体に接近することになる。これはいくら高度な内容を表現したところで「吹奏楽《独自》の」音楽表現を獲得するには至らない。


 曲の内容としては後半2曲の方が素晴らしかった。しかし、後半2曲は「他の演奏媒体に接近」する内容であったことは確かだ。「吹奏楽」と一言で言うけれども、それは「シンフォニックバンド」なのか「ウインドアンサンブル」なのかは明確にされていない。けれども、「吹奏楽でしか出来ない音楽」とは一体どのような音楽なのだろう?
 今回の作曲賞、吹奏楽で「演奏出来る」作品の創出という意味では、近年稀に見る成果を挙げたと言える。しかし、広く「現代の音楽界」で見た場合、どれほどの「新しさ」があったのか。「吹奏楽では聴いたことが無い」ではなく「誰も聴いたことが無い」音楽がこの先生まれていくべきであり、吹奏楽とは「未開拓の分野である」ことをもっと深く掘り下げて考えて行くべきだろう。
 そうした意味で、今回が「第一位なし」という結果になったのは、極めて妥当な評価であったと思う。


 ちなみに、今回の会場では、普段吹奏楽の演奏会では絶対に姿を見ないような《大家》をたくさん見かけたし、実際に何人かとも話をすることができた。
 これには、この作曲賞がこれまで吹奏楽の世界ではなかったような幅広い方面へのアプローチをしていたことが背景にある。日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、各種企業やマスコミ・・・・・ これによって多方面の関心を集め、様々な協賛を取り付けたのはもちろん、実際に足を運ばせる結果に至ったのは大いに賞賛すべきことだろう。
 また、演奏を担当した東京佼成ウインドオーケストラの熱演には心から敬意を表したい。

 これだけの環境を整えてもらったのだから、作曲家はそれに応えないといけない。次回のこの作曲賞で、「誰も聴いたことが無い《新しい》音楽」が聴けることを心から期待するものである。
 ちょっと時間が経ってしまいましたが、吹奏楽コンクール全国大会の大学の部/職場の部/一般の部に行ってきました。

 大学の部に関しては、来月号のバンドジャーナルに感想などを書いていますので、そちらをお読み下さい(と、宣伝)。読み方によって色々な捉え方ができる文章になっているのではないかと思います(意味深)。

 職場・一般の部について、気になった団体に触れてみたいと思います。

 ヤマハ吹奏楽団浜松は、個人的には金賞だと思ったのですが・・・・・自由曲の清水作品は前半から後半への推移が急激過ぎたので「?」と思って作曲者本人に訊いてみたら、やはりカットされているとのこと。全曲を聴いてみたいものです(初演の定期には行けなかった)。

 NTT東日本東北は少人数で、技術的にももう少しの頑張りが欲しかったのですが、小山清茂の「おてもやん/もぐら追い」という選曲に心から拍手。

 阪急百貨店は、鈴木先生亡きあとが注目されています。日本の洋楽受容史においても重要な、伝統あるバンドですから、今後の活動の充実を願ってやみません。そうした意味でも、今年コンクールの舞台に戻ってきてくれたことは嬉しく思います。

 NTT東日本東京は、正直あまり今まで記憶に残っていなかったバンドだったのですが、今年の演奏に感銘を受けました。今年のNTT勢は快挙ですね。賞に関わらず、です。


 一般の部は大熱演。正直、どのバンドが金賞でもおかしくない、非常にハイレベルなコンクールでした。日本の吹奏楽のレベルはここまできたのか、と、変な感慨を持ちました。
 どのバンドも水準を軽く超える演奏でしたが、そのなかでも特に「痛くないフォルテ」が出せる、つまり、音色のコントロールという概念を持っているバンドが更に上の次元に達していたのではないかと思います。

 大津シンフォニックバンドは、その自由曲の圧倒的な迫力が素晴らしかったです。この高昌帥「ディテュランボス」もぜひセッションレコーディングで聴いてみたいですね。

 大曲吹奏楽団は独自の解釈が面白かったです。課題曲・自由曲ともに木下牧子作曲、という組み合わせもよい効果となっていたと思います。この自由曲「ゴシック」も全曲をセッションレコーディングで残しておきたい曲ですね。

 東京正人吹奏楽団は、課題曲Iはここの演奏が一番しっくりきました。自由曲ブルジョア「ウインド・ブリッツ」は知らない曲でしたけど、初めてでも惹き込まれました。それだけの快演。

 横浜ブラスオルケスターは私は金賞だと思ったのですが・・・・・ややサウンドが鋭角的過ぎたのか?でも曲に対してのアプローチとしては間違っていなかったと思うのですが。自由曲では、その高昌帥「陽が昇るとき」を抜粋して再構成した際の完成度の高さに感服したました。こういった点での「楽曲解釈」は評価の対象とならないのは残念です(まぁ、それを審査員に要求するのは酷ですが)。

 創価学会関西は壮絶な演奏でした。私の「科戸の鵲巣」は聞いた感じ以上に難しい曲なのですが、実に素晴らしい演奏でした。カットは残念ではあるのですが(コンクールだから仕方がない、というのは百も承知の上で)、それを補って余りある秀演。


 後の演奏は、創価関西の演奏直後にホールを出た(創価関西に挨拶に・・・・・実はそれが初対面)ので聴いていません。


  〜〜

 さて、コンクールも終わり、興味深い吹奏楽の演奏会を幾つか。


 そろそろ東京佼成ウインドオーケストラ作曲賞の本選会(11/26)も近づいてきました。

http://www.tkwo.jp/comp/index.html

 今後のこの賞の行く末を占う意味でも、第一回目は実に注目です。

  〜〜

 SHOBIディプロマ・ウインドアンサンブルの演奏会(11/25)

http://www.shobi.ac.jp/wind/schedule/sche4.cgi#60

 これもマクミラン「ソウェトの春」の日本初演、マグヌス・リンドベルイ「グラン・デュオ」の改訂版初演が注目です。後者は改定前の版がCDで出ていますので、聴き比べてみるのも面白そうです。

  〜〜

 国立音楽大学ウインドアンサンブル(ブラスオルヒュスターではないです)の定期演奏会(12/3)も注目です。

http://tokyo.cool.ne.jp/kcm_brass/concert/index.html

 岩河三郎「冬山に逝ける若者への祈り」は実際に聴ける機会がほとんどないので、貴重ですね。
 また、私としては北爪道夫「フェスタ」と田村文生「スノー・ホワイト」がどのような演奏になるのか(そして微妙に解説も)気になるところです。

  〜〜

 また、日本現代音楽協会の主催による「吹楽IV」(3/24)のプログラムも発表されています。

http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/perform/list0703.html#P24M1

 思うところは一杯あり、多くは語りませんが、もうちょっと何とかならなかったのでしょうかね。
 昨日行われた、全日本吹奏楽コンクール全国大会・高校の部を、前半のみ聴いてきました。
 実は普門館でのコンクールを聴いたのは初めてです。

 前半は前半だけで、後半は後半だけで順位が付く、というシステムがいまいち納得できませんが、そうなってるのだから仕方が無いですね。

 私の「科戸の鵲巣」を演奏して下さった春日部共栄高校吹奏楽部は、金賞を受賞されました。高校生で「あの曲」をあそこまでのクオリティで演奏出来ることが何よりの驚きです。生徒の皆さんや先生方の頑張りに心から拍手。

 他の団体は、順当な結果になっていたと思いますが、 多くの団体の中で、特に福岡工業大学附属城東高校の演奏が、群を抜いて素晴らしかったように思います。素晴らしい緊張感の持続。計画的で周到な展開。ソロの上手さと、アンサンブルの豊かさ。あんな演奏ができるなんて、今の高校生は凄いですね。

 あとは、惜しくも銀賞でしたが、高岡商業高校の「ローマの祭」もとても面白く聴きました。ああいった演奏が出来る生徒さんたちは、幸せですね。うらやましくも思いました。

 後半の部は聴けませんでしたが、おそらくこちらも熱演だったのだろうと推察します。


 さて、最新の会報「すいそうがく」に、再来年の課題曲について気になることが書いてあります。

http://www.ajba.or.jp/suisougaku173.pdf

 2008年の課題曲は、1993年以前のスタイルに近いものにする、ということでしょう。(10ページ参照)
 ポイントをまとめると次の通り。

  イ:行進曲2曲を含む多様なもの
  ロ:3分〜4分
  ハ:「技術的にやさしく、親しみやすい
    旋律のもの」という趣旨を更に徹底させる
  ニ:課題曲5枠は存続。マーチ/それ以外は不問

 ポイント「ハ」がどうなるのかが未知数です。次の要項はどのような表現で記述がなされるのでしょうね。「標準音域表」は改善されるのか、「親しみやすい旋律」や「易しい技術」についての指標は出るのか。そして、誰かが監修に入るのか。

 また、「朝日作曲賞」。1993年までの傾向からして、マーチで朝日賞を取るのは至難の業のように思います。きちんと勉強した人が公募に出す場合、やはり賞は狙ってくるでしょうから、出すとすれば行進曲以外のスタイルで書いてくるでしょう。これまでの制度でよかったのは「これまでにない行進曲」が 生まれる可能性があったこと。それほどの成果を上げる前に改訂されてしまうのは、少々惜しい気もします。
 そして、もう一点。2008年には浦田健次郎氏への委嘱作品があることがすでに公表されています。この委嘱作品が「マーチ」なのか「それ以外」なのかが分からないと、どちらの曲種に出した方が課題曲に採用される率が高いのかは不明な訳です。応募するつもりの人で気にする人は多いと思うのですけどね。

 今後の委嘱作品が「マーチ」なのか、「それ以外」なのか、というのは意外に大きな問題です。朝日賞よりも課題曲狙いの人がどちらの曲種を書くか、というのはこれで左右されるかもしれません。それによって、応募比率が変わる。どちらかの曲種に良作が集まる可能性が変動する。かも、しれません。
 個人的には、課題曲5を委嘱作品に固定しちゃえばいいのに、と思うのですけどね。
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プロフィール
HN:
NAPP
年齢:
38
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性別:
男性
誕生日:
1978/06/19
職業:
作曲家、のはず
自己紹介:
作曲家。
東京音楽大学・非常勤講師(作曲)。
NHK-FM「吹奏楽のひびき」担当。
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