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中橋愛生(NAPP)の不定期日記
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 関西大会での龍谷シンフォニックバンドの演奏の録音が届く(早っ!)。早速聴いてみると、なるほど、かなり早いテンポでの力演。

 先日書いた通り、龍谷SBは府大会と異なる指揮者が振ったために規定違反で失格になりました。確かに、事前に確認しなかったバンド側に非があるし、違反は違反なので失格であることに異議を唱えるつもりはありません。しかし、バンドを弁護するならば、やはり規定が変わった(今年から、昨年から?)ことがバンド側に徹底していなかったこと、事前説明が不十分であったこと(少なくとも私はそう聞いている)は納得できないのではないでしょうか?特に過去にも数回同じように異なる指揮者で出場したことのある同バンドですから、まさか今年に限って失格になるとは思わなかったでしょう。(繰り返しますが、だからと言って確認を怠った非はある) 毎年恒例のことですが、参加申し込みの際に、各バンドに対して規定を配布するくらいのことは行われてしかるべきではないでしょうか?

 そもそも、この「規定」というやつは「地域ルール」がかなりあります。今回の指揮者の件にしても、他の支部では失格対象にならないところがあるのでは?(調べてませんが) 今回の一件を契機に、ちょっとこの「地域ルール」について考えてみました。

 支部や県によって「コンクール」の実施方法が違う、というのは、審査員をするような人や、支部以上の大会に進むバンドの人以外には、あまり知られていないことなのかもしれません。
 県大会の前段階である「地区大会」がない県というのは結構あるし、逆に一個突破すればいきなり全国のところもある(東京支部職場の部)。表彰の仕方にしても、銅賞の下に「奨励賞」なるものを設けて四段階評価にしているところもあれば、「○○賞」のような副賞を設けている県も多い(無い県もある)。部門だってA部門しかないところもあれば、D部門まであるところもある。シード制を設けている支部/設けていない支部、というのもあるのかな?(もしかしたらこれは全支部実施なのかも) ここらへんは人口密度や、上手な学校が多いかどうか(これは私立の多さにも関係するのか)によっても左右されることなので、格差があるのは当然といえば当然かもしれません。

 しかし、それ以外での細かく、それでいて演奏(選曲)に重大な影響をもたらす差異というのが散見されます。(今回の指揮者に関する規定もその一つ)
 よく話題になるのが「職業演奏家」の定義。まぁ、音大出の中でプロと呼べるのは、各大学から年に1人でればいいほう、という世界なので、本当の意味で「職業演奏家」と呼べる人がコンクールに参加している、という話は聞いた事がないのですが、少なくともその「境界」は定義されていない。一回でもプロオケでトラで乗ったことがあれば、たとえ日常的に演奏で収入を得ていなくてもプロとして扱うのか。微妙です。まぁ、管楽器奏者はほとんど例がないと思いますが、ハーピストやピアニスト。これって結構「職業音楽家」を乗せているケース、あるんじゃないですか?「町のピアノの先生」、これ、「職業音楽家」ですかね?
 作曲の立場から言わせてもらえば、気になるのは「使用可能楽器」の定義です。例えば、規定では「電子楽器」の使用はヴィブラフォンとエレキベースを除いては不可です。では、「電子楽器」の定義とは?今回、私の曲にはサイレンの指定があったのですが、音量的に難しかったら拡声器に付いているサイレンを使用してはどうか、と提案したことろ「電池を使うからダメ」と言われました。う〜ん、巨大な手廻しサイレンと同じ効果なのに、それだけでダメというのは納得がいかないような気がします。今後、様々な曲が登場するうちに、ちょっとした電動の仕組みを使った作品というのが出てくるかもしれません(例えば電池式の簡易ボコーダーや擬音楽器など)。そうした「パーカッション」に類するものまで頭ごなしに「電気を使うから」と禁止してしまうのはいかがな物か。
 まぁ、そんな特殊な例を持ち出すまでもなく、いつも思うのがピアノの内部奏法に関する規定がないこと。プリペアドはまぁ危険なのでダメでしょうが(にしても規定はない)、楽器を全く損傷する心配のないミュート奏法やハーモニクス奏法の扱い、ってのはどうなってるのでしょうか。私のような作曲家には、この規定の有無は大問題なのですが、過去に話題となったという噂は聞いた事がありません。

 話が脱線気味でしたが、言わんとすることは一つで、「地域によって違いがあってはいけない」ということです。ある地区ではOKで、ある地区では失格。そういうことがあってはいけません。吹奏楽コンクールが「全国規模のコンペティション」である以上、それが一種の「勝負」であることは否定できません。しかし、勝負というのはある共通のルールの上で行われるからこそ成立するものではないですか?勝負以前の問題で強制的に「負け」が決定付けられるのは、納得できないものがあります。
 ある県では、ウォーターゴングの使用が禁じられています。その県ではシュワントナー「そして山の姿はどこにもない」は演奏できないのですね。となると、あの埼玉栄の名演は何だったのでしょう?埼玉では演奏できるのに、その県では演奏できない。そのような不公平というのは、《教育的》ではないのでは?


 全国規模で展開される以上、共通の規定というのは確立されておいて然るべきものだと思います。それが参加者全員の共通認識として根底になければ、全国的に平等な出場権というのは有り得ません。あきれる程当たり前のことが徹底して明文化されているPL法のようなものがある現代なのですから、吹奏楽コンクールの規定というのも現場判断に任せずに、中央が統率を図るべきでしょう。

 また、そういったことに口出しできる立場の人達(審査員を務めるような立場の人や、各吹連の役員など)も、積極的に考えていくべきでしょう。自分の仕事や、自分の担当地区のことをこなすだけで、全体のことを考えていない人が多いような気がしてなりません。


 とにかく、一生懸命演奏した人達が、自分たちと関係のない理由のせいで涙をのまなければならないという状況は、もう二度と見たくはないのです。



 余談:本日、難産だったブラスアンサンブルのためのフラリッシュ「サルムの光」がようやく完成。明日からはまた別の締め切りが・・・・・
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性別:
男性
誕生日:
1978/06/19
職業:
作曲家、のはず
自己紹介:
作曲家。
東京音楽大学・非常勤講師(作曲)。
NHK-FM「吹奏楽のひびき」担当。
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