中橋愛生(NAPP)の不定期日記
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拙作「シンタックス・エラー」は、実は「ポセイ丼」という「どんぶり」だということが判明しました(笑)
http://coral-b.tea-nifty.com/ver2/2005/04/post_c69d.html
そんな問題作(?)ですが、実に恵まれた育ち方をしてくれた曲でもあります。非公式ながら一番最初に音にして頂いたのは、東京佼成ウインドオーケストラですし、その後には陸上自衛隊中央音楽隊によってレコーディングして頂きCDデビューしちゃった、という、何とも贅沢な作品。
で、この曲の舞台初演がもうすぐ行われます。やって下さるのは龍谷大学のOBバンドである「龍谷シンフォニックバンド」。指揮は若林先生。う〜ん、これまた贅沢。フルートパートをよく見てみると、おや、何とも贅沢なことに・・・・・(乗る、んですよね?)
実に残念なことに大学の関係で立ち会うことは叶わないのですが、お近くの方、ぜひ聴きにきて下さい!
4月17日 17:30〜 京都市 東部文化会館 、です。
また、5月1日には長崎市民吹奏楽団もやって下さるそうです。
http://ncsb.squares.net/hiroba/concert/2005regul.html
今のところ、私の作品の中ではこの曲が一番人気のようです(笑)
http://coral-b.tea-nifty.com/ver2/2005/04/post_c69d.html
そんな問題作(?)ですが、実に恵まれた育ち方をしてくれた曲でもあります。非公式ながら一番最初に音にして頂いたのは、東京佼成ウインドオーケストラですし、その後には陸上自衛隊中央音楽隊によってレコーディングして頂きCDデビューしちゃった、という、何とも贅沢な作品。
で、この曲の舞台初演がもうすぐ行われます。やって下さるのは龍谷大学のOBバンドである「龍谷シンフォニックバンド」。指揮は若林先生。う〜ん、これまた贅沢。フルートパートをよく見てみると、おや、何とも贅沢なことに・・・・・(乗る、んですよね?)
実に残念なことに大学の関係で立ち会うことは叶わないのですが、お近くの方、ぜひ聴きにきて下さい!
4月17日 17:30〜 京都市 東部文化会館 、です。
また、5月1日には長崎市民吹奏楽団もやって下さるそうです。
http://ncsb.squares.net/hiroba/concert/2005regul.html
今のところ、私の作品の中ではこの曲が一番人気のようです(笑)
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前々から噂に聞いていた、東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクールの要項が発表されました。
http://www.tkwo.jp/Jimusho/oshirase.html
いい感じですね。とても意欲的な内容です。
このコンクール、内容もさることながら、協賛の人や組織がすごい。審査員にも一流どころが選ばれています。まさに非の打ち所の無い一大イヴェント。作曲コンクールを通して、様々な周辺領域を吹奏楽の世界に巻き込んでいるあたりも、要注目な点です。
ここ最近、吹奏楽の作品発表(公募・コンクール)の機会の増加には目を見張るものがあります。
以前ちょっと触れようにABAオストワルド作曲賞には国籍制限がありませんので、日本人も応募可能です。
他にも、 ROMUALDO MARENCO国際作曲コンクールというイタリアの吹奏楽作曲コンクールがあり、日本人が参加することも可能です。
http://www.comune.noviligure.al.it/ilcomune/altribandi.html
また、既に有名な作曲コンクールとして知られているグスタフ・マーラー作曲コンクールというものがありますが、今年のテーマは「ビッグバンドの編成」です。これは視点を変えれば吹奏楽編成。
http://www.musikforum.at/komp5en.htm
今年は(も?)アジア国際音楽祭のオープニングコンサートも吹奏楽の祭典になっており、こちらも作品公募が行われています。今年はタイでの開催です。
http://www.jfc-i.org/english/compe_thai_05.htm
このように見てみると、実は吹奏楽の現代音楽での可能性を探り、発表できる機会というのは意外に多かったりします。
多くの(非吹奏楽畑の)作曲家に、チャレンジしてもらいたいものですね。
ついでながら、ガレリアウインドオーケストラの作品公募もよろしくです(笑)
http://www003.upp.so-net.ne.jp/napp/galleria-4th.html
http://www.tkwo.jp/Jimusho/oshirase.html
いい感じですね。とても意欲的な内容です。
このコンクール、内容もさることながら、協賛の人や組織がすごい。審査員にも一流どころが選ばれています。まさに非の打ち所の無い一大イヴェント。作曲コンクールを通して、様々な周辺領域を吹奏楽の世界に巻き込んでいるあたりも、要注目な点です。
ここ最近、吹奏楽の作品発表(公募・コンクール)の機会の増加には目を見張るものがあります。
以前ちょっと触れようにABAオストワルド作曲賞には国籍制限がありませんので、日本人も応募可能です。
他にも、 ROMUALDO MARENCO国際作曲コンクールというイタリアの吹奏楽作曲コンクールがあり、日本人が参加することも可能です。
http://www.comune.noviligure.al.it/ilcomune/altribandi.html
また、既に有名な作曲コンクールとして知られているグスタフ・マーラー作曲コンクールというものがありますが、今年のテーマは「ビッグバンドの編成」です。これは視点を変えれば吹奏楽編成。
http://www.musikforum.at/komp5en.htm
今年は(も?)アジア国際音楽祭のオープニングコンサートも吹奏楽の祭典になっており、こちらも作品公募が行われています。今年はタイでの開催です。
http://www.jfc-i.org/english/compe_thai_05.htm
このように見てみると、実は吹奏楽の現代音楽での可能性を探り、発表できる機会というのは意外に多かったりします。
多くの(非吹奏楽畑の)作曲家に、チャレンジしてもらいたいものですね。
ついでながら、ガレリアウインドオーケストラの作品公募もよろしくです(笑)
http://www003.upp.so-net.ne.jp/napp/galleria-4th.html
合唱指揮者の関屋晋先生が亡くなられた、という知らせを今朝受けました。信じられませんでしたが、朝日新聞のサイトに訃報も出ましたので、事実だと知り愕然としています。
多くの合唱団を率い、その育成を行ったほか、実力ある作曲家に数多くの委嘱を行うことにより、教育音楽・アマチュア音楽という偏見で語られていた合唱の世界に新しい風を送り込み、その水準を遥か上に引き上げた方の一人です。「晋友会」合唱団の録音は、おそらく多くのかたが耳にしたことがあるでしょう。
ある種の閉塞感を持った現代音楽・合唱の両者の架け橋となったその活動は、「現代音楽と吹奏楽」の在り方の一つのモデルであると私は思い、ずっと尊敬していた人物です。練習中に気分が悪くなり、そのまま亡くなられたとのころ。先生らしいと言えば先生らしくもあり、誇らしくもあるのですが・・・・・76歳でした。 吹奏楽のことしか興味が無く、関屋先生のことをご存知なかった方は、猛省して頂きたい。
これで合唱界の三巨頭のうち、お二人が亡くなったことになります。吹奏楽の世界では、フェネル、大橋先生に続いて鈴木先生も亡くなられました。一つの時代を築いた方々が次々とこの世を去っていってしまっています。残された我々は、その跡をきちんと受け継ぎ、更に先へ進まなければなりません。しかし、ただ影響力を持つだけではなく、思想や行動が伴っている人物は、昔よりも少なくなっているような寂しさも拭いきれません。
私たちは、先人の遺志を継ぎ、更なる改善・発展を目指さなければならないのです。
多くの合唱団を率い、その育成を行ったほか、実力ある作曲家に数多くの委嘱を行うことにより、教育音楽・アマチュア音楽という偏見で語られていた合唱の世界に新しい風を送り込み、その水準を遥か上に引き上げた方の一人です。「晋友会」合唱団の録音は、おそらく多くのかたが耳にしたことがあるでしょう。
ある種の閉塞感を持った現代音楽・合唱の両者の架け橋となったその活動は、「現代音楽と吹奏楽」の在り方の一つのモデルであると私は思い、ずっと尊敬していた人物です。練習中に気分が悪くなり、そのまま亡くなられたとのころ。先生らしいと言えば先生らしくもあり、誇らしくもあるのですが・・・・・76歳でした。 吹奏楽のことしか興味が無く、関屋先生のことをご存知なかった方は、猛省して頂きたい。
これで合唱界の三巨頭のうち、お二人が亡くなったことになります。吹奏楽の世界では、フェネル、大橋先生に続いて鈴木先生も亡くなられました。一つの時代を築いた方々が次々とこの世を去っていってしまっています。残された我々は、その跡をきちんと受け継ぎ、更に先へ進まなければなりません。しかし、ただ影響力を持つだけではなく、思想や行動が伴っている人物は、昔よりも少なくなっているような寂しさも拭いきれません。
私たちは、先人の遺志を継ぎ、更なる改善・発展を目指さなければならないのです。
なんとか今朝、新作のユーフォニアムと吹奏楽のための協奏的作品 《La Decouverte du Feu》(火の発見)の楽譜を発送しました。いやはや、大変でした。曲自体は3月中には完成したのですが、とにかく浄書(特にパート譜作成)が大変。連符が頻出する曲なので桁位置を修正しないといけないのですが、とにかく量が多いし、細かい。Finale 2005 だとこの機能がずいぶんと頭がよくなっているらしいのですが、締め切り直前にソフトのヴァージョンアップをかける勇気は私にはないです。しょうがないから、全部手作業。三時間ほどの睡眠時間でず〜っとMacに向かってる日が一週間近く続き、ヘロヘロです(笑)。 もう若くないのでしょう。
当初の予定では5分位の曲のはずが、出来上がってみたら8分になってました。私の曲としては珍しく、速くならない(笑)。バンドは技術的には全然難しくないし、楽譜はパッと見たところ延ばしがほとんどなので、初見でもいけるように見えるでしょう。しかし、合奏してみたらエライことになる、そんな曲です。独奏ユーフォのパートは・・・・・まぁ、難しくはないと思いますが、普通じゃないことは確かです。と言っても、指と口の技術だけで出来る範囲の奏法ばかりですが。
この曲、初演は5月7日、足立区の西新井文化ホールで行われるミュゼ・ダール吹奏楽団の定期演奏会です。開演は18時。ユーフォニアム・ソロは、何とも光栄なことに外囿祥一郎さん。楽しみです。ウキウキです。
で、実はこの曲、三楽章からなる協奏曲の第一楽章として着想してます。だから、この続きも書いてみたいのですけどね、機会があるかどうか・・・・・ ピアノとハープとコントラバスクラとコントラファゴットが用意できて、外囿さんを呼べる実力と基盤のあるバンド、お待ちしています(爆死)
ようやく春休み、と思いきや、来週から大学が始まります (T.T) あと、締め切りも溜まっていて、GW明けまでには某中学校のコンクール自由曲用に編曲を一曲、6月上旬までには某一般バンドのコンクール自由曲用に新曲(改作曲?)を一曲書かないといけない。11月くらいまでには室内楽作品も一曲頼まれてるし。当分休めそうにないですね。
とりあえず、頭の中は次の編曲作品を考え始めてます。原曲、というか素材として提示されている曲は、中学向きの背景(内容)ではないし、コンクール向きの性質(趣旨)ではないので、頭が痛いところです(笑)。こうなると、原曲のイデオロギーに真っ向から反発(というより、背景から切り離して純粋に素材としてのみ扱う)して、逆照射するくらいしかやりようがない。難しいですね。
でも、とりあえず花見には行く事にしよう。あと、床屋にも行かなきゃ(笑)
当初の予定では5分位の曲のはずが、出来上がってみたら8分になってました。私の曲としては珍しく、速くならない(笑)。バンドは技術的には全然難しくないし、楽譜はパッと見たところ延ばしがほとんどなので、初見でもいけるように見えるでしょう。しかし、合奏してみたらエライことになる、そんな曲です。独奏ユーフォのパートは・・・・・まぁ、難しくはないと思いますが、普通じゃないことは確かです。と言っても、指と口の技術だけで出来る範囲の奏法ばかりですが。
この曲、初演は5月7日、足立区の西新井文化ホールで行われるミュゼ・ダール吹奏楽団の定期演奏会です。開演は18時。ユーフォニアム・ソロは、何とも光栄なことに外囿祥一郎さん。楽しみです。ウキウキです。
で、実はこの曲、三楽章からなる協奏曲の第一楽章として着想してます。だから、この続きも書いてみたいのですけどね、機会があるかどうか・・・・・ ピアノとハープとコントラバスクラとコントラファゴットが用意できて、外囿さんを呼べる実力と基盤のあるバンド、お待ちしています(爆死)
ようやく春休み、と思いきや、来週から大学が始まります (T.T) あと、締め切りも溜まっていて、GW明けまでには某中学校のコンクール自由曲用に編曲を一曲、6月上旬までには某一般バンドのコンクール自由曲用に新曲(改作曲?)を一曲書かないといけない。11月くらいまでには室内楽作品も一曲頼まれてるし。当分休めそうにないですね。
とりあえず、頭の中は次の編曲作品を考え始めてます。原曲、というか素材として提示されている曲は、中学向きの背景(内容)ではないし、コンクール向きの性質(趣旨)ではないので、頭が痛いところです(笑)。こうなると、原曲のイデオロギーに真っ向から反発(というより、背景から切り離して純粋に素材としてのみ扱う)して、逆照射するくらいしかやりようがない。難しいですね。
でも、とりあえず花見には行く事にしよう。あと、床屋にも行かなきゃ(笑)
今朝、九州で大きな地震。私は佐賀に住んでたわけですが、地震らしい地震なんて体験したことありませんでした。なので、今回の震度6というのはビックリ。幸い、実家は無事だったらしい。いや、最近は大きな地震が多いですね・・・・・
さて、今日は響宴に行ってきました。前回載せて頂いて早や一年。早いものです。
今回はお客さんとしてお邪魔。前回出品者なので招待状を頂き、ラッキーと思いつつイソイソと出かけることに。着いたら、用意して頂いていた席は、意表を突いて作曲者席のド真ん中でした。何故・・・・・?
感想としては、印象に残った曲について軽く触れる程度で。
寺井尚行「Thread」は、愛知県立芸大の吹奏楽授業の教材として書かれたそう。小編成の管楽アンサンブル的な響きがして非常に興味深い作品。久しぶりに「小編成でもできる」ではなく「小編成のための」作品を聴いた気分。音楽的にも、速度の違う幾つものセクションが重層的に存在する、という面白いもの。ただ、ちょっと短かったのが残念。本格的にこのスタイルで書かれたものをもっと聴いてみたいと思いました。
三浦秀秋「Salty Music」は、オーネットの影響下にあると書かれている通り、ジャズイディオムが盛り込まれた作品。チューニングかと思わせておいて唐突に曲に入る冒頭部が面白かったけど、後ろから見ていた限り観客の反応はイマイチ。みんなプログラムに読み入っていたのか?曲全体としては真島俊夫「ミラージュ I 」に近い感じ。現代語法とジャズの雰囲気の融合作品。ポピュラージャズを学ぶ一方で現音のコントラバスフェスタに公募出品するなどの多方面に渡る作曲者の興味が、惜しみなく凝縮された感じで、まさに彼が「書きたかったもの」が炸裂した感じで好感が持てました。昨年の響宴出品作品「ファンファーレ III 」に比べて、かなり「吹奏楽的な」オーケストレーションへの歩み寄り(いい意味で)が見られたような気がします(と、本人には言った)。個人的には今後に注目している作曲家の一人。
飯島俊成「枯れ木のある風景」は、吹楽III で初演されCD販売もされているので、既知の作品。思えば私が「音響的吹奏楽作品」に惹かれるようになったのは、飯島氏の「夢の花、幻の花」とこの曲がきっかけだったわけで。この曲の要となるのは、大きく分けて二項に分類される音色の対照。音色のコントロールを更に際立たせることのできるプロの演奏でも聴いてみたいところです。
坂井貴祐「アプローズ!」は、2分ほどのアンコールピース。この目的を達成するには十二分に相応しい、抜群の演奏効果を持った作品。ギャロップ的な作品で様々な楽器に見せ所があり、非常にスリリングで楽しい。埼玉栄高校の快演も気持ちよかったです。シロフォンに自信があるバンドは、是非。
北爪道夫「シークレット・ソング」は、寺井作品と同じく愛知県立芸大の吹奏楽授業の教材として書かれたもの。そのため、やはり短め。オーボエとソプラノサックスのユニゾンによる「歌」が全編を通して奏され、他の楽器にその音響が伝播していく、という作品。「フェスタ」と「祈りの旅」のちょうど中間に位置するような曲想。それにしても、他にも愛知県芸の授業用に書かれた作品にはどんなものがあるのだろう、と興味がそそられます。
田村文生「残酷メアリー」は、コンクールでの演奏の録音は持っていたのですが、今回は改訂版初演とのこと(プログラムには書いてありませんでしたが)。今回の響宴で一番よかったのは、やはりコレ。聴いた感じ難しそうに聞こえるのですが、楽譜を見ると意外にそう難しそうでもないので、ぜひ色んな団体にチャレンジしてもらいたいところです。ごく一般的なレベルの高校の委嘱なのですから(ちなみに、今年も武蔵越生高校のために新曲を書くのだそうで)。今回の響宴のプログラムに掲載されている文章も面白かったです。個人的に話がしたかったのですが、作曲者は来場せず。残念。
作品として特に印象に残ったのは、上記6作品。今回は短い曲が大半で、その中でもマーチが多かったのが特徴的でした。また、どちらかと言えば穏やかな曲調の作品が多かったような印象も。それだけに際立った個性のある作品が全18曲の内にどれだけあったか、と言えば難しいところだと思います。結局のところ、印象に残ったかどうか、ということの拠り所は「吹奏楽である必然性がどれほどあったのか」ということに尽きると思うのです。少なくとも、私の場合は。
時間があれば、もっと掘り下げてみたいのですが、締め切りが・・・・・(演奏会終了後、レセプションまで出て打ち上げには参加せずに帰宅しました) とりあえず、簡単な個人的備忘録的感想でした。
さて、今日は響宴に行ってきました。前回載せて頂いて早や一年。早いものです。
今回はお客さんとしてお邪魔。前回出品者なので招待状を頂き、ラッキーと思いつつイソイソと出かけることに。着いたら、用意して頂いていた席は、意表を突いて作曲者席のド真ん中でした。何故・・・・・?
感想としては、印象に残った曲について軽く触れる程度で。
寺井尚行「Thread」は、愛知県立芸大の吹奏楽授業の教材として書かれたそう。小編成の管楽アンサンブル的な響きがして非常に興味深い作品。久しぶりに「小編成でもできる」ではなく「小編成のための」作品を聴いた気分。音楽的にも、速度の違う幾つものセクションが重層的に存在する、という面白いもの。ただ、ちょっと短かったのが残念。本格的にこのスタイルで書かれたものをもっと聴いてみたいと思いました。
三浦秀秋「Salty Music」は、オーネットの影響下にあると書かれている通り、ジャズイディオムが盛り込まれた作品。チューニングかと思わせておいて唐突に曲に入る冒頭部が面白かったけど、後ろから見ていた限り観客の反応はイマイチ。みんなプログラムに読み入っていたのか?曲全体としては真島俊夫「ミラージュ I 」に近い感じ。現代語法とジャズの雰囲気の融合作品。ポピュラージャズを学ぶ一方で現音のコントラバスフェスタに公募出品するなどの多方面に渡る作曲者の興味が、惜しみなく凝縮された感じで、まさに彼が「書きたかったもの」が炸裂した感じで好感が持てました。昨年の響宴出品作品「ファンファーレ III 」に比べて、かなり「吹奏楽的な」オーケストレーションへの歩み寄り(いい意味で)が見られたような気がします(と、本人には言った)。個人的には今後に注目している作曲家の一人。
飯島俊成「枯れ木のある風景」は、吹楽III で初演されCD販売もされているので、既知の作品。思えば私が「音響的吹奏楽作品」に惹かれるようになったのは、飯島氏の「夢の花、幻の花」とこの曲がきっかけだったわけで。この曲の要となるのは、大きく分けて二項に分類される音色の対照。音色のコントロールを更に際立たせることのできるプロの演奏でも聴いてみたいところです。
坂井貴祐「アプローズ!」は、2分ほどのアンコールピース。この目的を達成するには十二分に相応しい、抜群の演奏効果を持った作品。ギャロップ的な作品で様々な楽器に見せ所があり、非常にスリリングで楽しい。埼玉栄高校の快演も気持ちよかったです。シロフォンに自信があるバンドは、是非。
北爪道夫「シークレット・ソング」は、寺井作品と同じく愛知県立芸大の吹奏楽授業の教材として書かれたもの。そのため、やはり短め。オーボエとソプラノサックスのユニゾンによる「歌」が全編を通して奏され、他の楽器にその音響が伝播していく、という作品。「フェスタ」と「祈りの旅」のちょうど中間に位置するような曲想。それにしても、他にも愛知県芸の授業用に書かれた作品にはどんなものがあるのだろう、と興味がそそられます。
田村文生「残酷メアリー」は、コンクールでの演奏の録音は持っていたのですが、今回は改訂版初演とのこと(プログラムには書いてありませんでしたが)。今回の響宴で一番よかったのは、やはりコレ。聴いた感じ難しそうに聞こえるのですが、楽譜を見ると意外にそう難しそうでもないので、ぜひ色んな団体にチャレンジしてもらいたいところです。ごく一般的なレベルの高校の委嘱なのですから(ちなみに、今年も武蔵越生高校のために新曲を書くのだそうで)。今回の響宴のプログラムに掲載されている文章も面白かったです。個人的に話がしたかったのですが、作曲者は来場せず。残念。
作品として特に印象に残ったのは、上記6作品。今回は短い曲が大半で、その中でもマーチが多かったのが特徴的でした。また、どちらかと言えば穏やかな曲調の作品が多かったような印象も。それだけに際立った個性のある作品が全18曲の内にどれだけあったか、と言えば難しいところだと思います。結局のところ、印象に残ったかどうか、ということの拠り所は「吹奏楽である必然性がどれほどあったのか」ということに尽きると思うのです。少なくとも、私の場合は。
時間があれば、もっと掘り下げてみたいのですが、締め切りが・・・・・(演奏会終了後、レセプションまで出て打ち上げには参加せずに帰宅しました) とりあえず、簡単な個人的備忘録的感想でした。
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プロフィール
HN:
NAPP
年齢:
47
HP:
性別:
男性
誕生日:
1978/06/19
職業:
作曲家、のはず
自己紹介:
作曲家。
東京音楽大学・非常勤講師(作曲)。
NHK-FM「吹奏楽のひびき」担当。
東京音楽大学・非常勤講師(作曲)。
NHK-FM「吹奏楽のひびき」担当。
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