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中橋愛生(NAPP)の不定期日記
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今年の初登場です。
遅くなりましたが、今年も宜しくお願い致します
m(_ _)m

 さてさて、本題。

 今年度の吹奏楽コンクールの課題曲が届きました。毎年ネット評論家が多数生まれるこの時期、ご多分に漏れず、私も雑感など書いてみます。


 今年は何と言っても1と3が素晴らしいですね。

 1はとてもよく考えて書いてあるし、内容も充実して展開も素晴らしい近年稀に見る朝日作曲賞の秀作。しかし、とても演奏は難しい・・・・・随所にある定量的周期から逸脱する瞬間を面白く聴かせられるかで印象が大きく変わるような気がします。
 各パートにおけるsolo/tuttiが明示されていないので、大編成で演奏する場合は奏者の人数のバランスが難しいところか。でも、基本的にこの曲は「(optionまで含めて)全てのパートが揃った小編成」のための曲、かな。
 今年の課題曲で一番いいと思ったのは、コレ。毎年このレベルだと、朝日作曲賞もその意義があるというもの。

 2は、あまりにも場面の展開が目紛しくて取り留めがない印象。音楽的にはそうした点で一押しには出来ないけれど、この場面の転換に応じて柔軟に表情を変える事の出来るバンドにとっては「うちはこんなに幅広い表現力があるんだぞ」ということを課題曲だけで存分に見せられる、というメリットがあるか。コンクールで「勝つ」(!)にはいい課題曲と言えるのかも。音楽的には別にして。
 コンピューターでシミュレーションしていない(もしくは頼っていない)のがよく分かる「考えられたスコア」は非常に好感が持てました。

 3は面白い!とにかく読めば読むほど面白いスコア。個人的な嗜好では、かなり好みの楽曲。音の趣味はゾクゾクします(個人的感覚)。練習番号Rからの緊張感がたまりません。ここは参考音源の演奏がとてもいいですね。
 全曲を貫くパルスを維持することは最重要課題なのだけど、それと別に大きく存在する周期をどう把握できるかがポイントか。分析してみるとその「大きな周期」は いつも何らかの2つの要素で構成されていることが分かるので、その「後ろ」の要素をどう《落とし込む》ことができるかにより、更に面白い演奏ができそう。
 長い時間をかけて練習するには、こうした構成面で優れた作品だとやりがいがあっていいですね。

 4はノーコメントで。オーボエに低いAが書いてあるのだけど、出せる楽器を持ってるバンドって多くないんじゃないかな・・・・・

 5は、実は演奏は1よりも難しくないはず。○/8を○/4に(32分音符を16分音符に)直してみると、譜面もそんなに難しそうではない。
 「伴奏や旋律」という「複層」ではなく、この曲は単層的楽曲。まずはコンデンススコアから曲を構成する音列を分析し、その仕組みを把握できると、曲全体がよく考えられて書かれているのが分かると思います。曲を貫く一本のラインをまずはピアノなど単一音色のもので弾いてみて把握し、それを音色旋律的に分断するように演奏すると、まとめやすそうですね。様々な楽器に細分された結果として「一本に聴こえさせられるか」という音量バランスの調整が最大の課題。
 曲の造りとしては極めてシンプルなので、頭のいい指揮者がいると、比較的簡単に仕上がるのではないかと思います。



 ところで、フレージングスラーで曲を書く人のアーティキュレーションって、私は全く信用できないんですよね・・・・・
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色々と更新が止まっていてすみません。レスは遅れていますが、掲示板の方には興味深い演奏会の案内が度々投稿されていますので、時々チェックしてみてください。

演奏会と言えば、先日行われた「四人組」演奏会。ヴァイオリンの佐藤俊介さん(課題曲作曲家とは無関係です)が素晴らしかった!まだ20歳とのことですが、とにかく凄い。今度、CDも買ってみたいところです。

もう一つ演奏会といえば、先月に行われた原町二中吹奏楽部の演奏会のレポートがバンドパワーに載っています。
http://www.bandpower.net/report01/2005/11/02_haramachi/01.htm
執筆者は伊左治直先生。「南蛮回路」にまつわるアレコレの話は、今後吹奏楽を書く可能性のある現代の作曲家にとって、とても参考になるものだと思います。ぜひご一読を。
 第9回「響宴」のプログラムが発表されましたね。
http://www.ne.jp/asahi/21c/wind-1/9th.html
 何と言っても南聡作品が気になるところです。また、今年のコンクールでも演奏されていた長生淳作品と、2006年課題曲Vの作曲者である金井勇(うちの大学の作曲の院生で、一昨年の日本音楽コンクールで二位になった逸材です)の作品も注目ですね。
 密かに私の曲も入っているのですが(爆)


 ところで私信なのですが、引越をしました。普段、私と郵便物のやりとりのある方で、住所変更の連絡が来ていない方がありましたら、ご連絡下さい。
知ってる人も多いかと思いますが、今年の吹奏楽コンクールのCDは、キングレコードが担当するそうです。

が、

う〜ん、納得いかない点があるなぁ。「大職一般の部は金賞団体のみ収録」、って。これって、課題曲はいれない、ってことではなくて、自由曲すらいれない、ってこと?もしそうだとしたら、それはどうなのかなぁ。私は毎年あのCDはほとんど買っていないのだけど、たまに買うことがあるとすれば、大職一般の部限定で、聴きたい曲が自由曲となっている場合のみ。だから、それはさすがに困るし、第一、演奏団体が可哀想だ。

幸い、来週にキングレコードのこの件についての関係者と話をする機会があるので、問い合わせて、なおかつ事実なら提言してみよう。
 噂のiTMSにアクセスしてみる。う〜ん、曲単位で買えてしまうのはすごいな。正直「これだけ聴きたいのに」と思ってCDを買う事はよくあるだけに、魅力的に見える。

 で、とりあえず吹奏楽関係がどうなってるんだろう、と思ってみる(笑)
 クラシックのページにアクセスすると、偶然なのかしらないけどクラシックの「Today's トップソング」は画像の通り。4位に瀬戸口藤吉「軍艦行進曲」が来てるのが興味深いところ。5位と9位に入ってるスーザとタイケが入ってるというのも、意外に吹奏楽率が高いのか、はたまた偶然か?でも、7位に道化師の吹奏楽編曲版が入ってる、というところから見るに、たぶんiTMSでクラシックを購入する総数自体が少ないんだろう、というのが真相か (;^_^A

 吹奏楽曲を探そうとしても「吹奏楽」ではそんなにヒットしないし、「佼成」「シエナ」ではゼロ。今の段階で最も多くヒットさせられるキーワードは「自衛隊」っぽい。
 このキーワードでヒットする曲のほとんどに作曲者に関する情報がないことが不親切。CDDBに登録した人の問題?でも、ちょっと詳しい人が見れば、ここにある曲はいずれもユニバーサル・レコード社のCDに収録されているもんだということに気付くはず。ということで、下記を参照すれば作曲者名も分かります。

http://www.universal-music.co.jp/classics/release/brass_concert/brass_concert.html

 そう、なんと一柳慧「ナグスヘッドの追憶」がiTMSで売られているんですね。記念すべき日本の現代音楽系吹奏楽作品でのiTMS第一号。
 他にも、黛敏郎「黎明」(「祖国」もあるけど、どちらかと言われればこちらをお勧め)あたりもいいですね。ユニバーサルのマーチは評価が高いので、そこらへんを買ってみるのもいいかもしれません。「CDを買う勇気はないけど、1〜2曲位なら聴いてみっか」という人がいましたら、ここらへんがお勧めです。ちなみに私は全てディスクで持っていたり(爆)

 iTMSが浸透するとCDが売れなくなるのでは、という話はよく聞きますね。はたしてそうでしょうか。確かに現状のままだとiTMSにシェアを奪われてしまう可能性は高いのかもしれません。要は、レコード会社側が「現物を所有するメリット」というのをどれだけ高められるかどうかの問題。その一番手っ取り早い方法は、ブックレットの充実でしょう。「解説を読んでみたい」と思わせることができるか。それにはよい執筆者をどれだけ確保できるか、という問題もある。少なくとも、今までの吹奏楽のCDのブックレットはお粗末すぎた。この現状を打破するきっかけにでもなってくれれば、と密かに期待しています。


 さて、明日から三日間、サントリーサマーフェスに通うつもりです。明日はシャリーノ他のオケ作品展、明後日は芥川作曲賞、明々後日はシャリーノ他の室内楽展。この手の演奏会に行くのはなんだか久し振りになってしまったので、楽しみです。ワクワク。
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プロフィール
HN:
NAPP
年齢:
45
HP:
性別:
男性
誕生日:
1978/06/19
職業:
作曲家、のはず
自己紹介:
作曲家。
東京音楽大学・非常勤講師(作曲)。
NHK-FM「吹奏楽のひびき」担当。
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